自笑庵:ともやの時おりおりのメッセージ

HP~スペインの大地とその心を描く~澤口友彌の世界でつづったブログ (2003 - 2011 年)

当ブログ年度別アーカイブのリンク一覧

本ブログ「自笑庵:ともやの時おりおりのメッセージは計162本からなる保存版です。 ブログ形式は1ページ目=最新投稿日時の掲載記事、月別アーカイブも新→旧順のリスト表示となるゆえ、書物と同じように書き始めた文章から読み進めることがなかなか困難…

162. 原発不手際の余波

無性にぜんざいが食いたくなった。 古い話だが、カッセレス県の小さな村役場の前庭で白っぽい小豆を見た記憶をたどり、やっとまちの乾物屋で買い求めてきてもらえた。煮込むと色は白っぽいが味はまさに小豆だ。欲望を満たした本能的落ち着きを堪能することが…

161. 広場の占拠 -15M-

5月15日(15M)、突如マドリーの中心「太陽の門」広場が群集によって占拠された。次いでバルセローナ、セビーリャなどの地方都市へ波及伝播するという社会現象を巻き起こし現在に至る。エジプトのジャスミン改革にならったのか、Facebook や Twitter …

160. 風評と口調

東日本大震災2週間。お亡くなりになられた数多くの皆様方のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆々様に心よりお見舞い申し上げます。若かりし頃、この度と同じように東北地方が津波に襲われたことがある。汽車を乗り継ぎ3日目にようやく釜石に着いた…

159. 素晴らしい対処

高速道路の制限時速が 110km/h 以下になった。リビア内戦などで原油価格の急騰に対する対応処置だ。 根拠として、例えばマドリーからスペイン北西部の都市ア・コルーニャまでの約 730km を 110km/h で走行すると、従来の制限時速 120km/h より5〜6ユーロ分…

158. スペイン通信再開

日本のSEの先駆者的存在 K 氏が主宰する kuri3.net に8年近くもお世話になってきた。誠もって感謝の念に堪えないが、データ量も増えてき、このたびサイトを移行する運びとなった。新アドレスでの門出にともやのスペイン通信を継続することにした。74号「更…

157. 老化は無理

再起不能になったパソコンを買い替え、ホームページの引っ越しをしてもらっている間に、世の中では気になる事柄が数々と起きた。第一に大卒者の就職難問題。企業も不況風で、名だけが大卒、それ相応の実力もない彼らに大卒規定の給料を支払ってまで採用した…

156. 風に舞う枯葉

支障がなさそうだったので小田急線の優先席に座ってみた。 次の駅で乗り込んできた50代半ばと思える男は隣の優先席に至極当然というしぐさで座り、これまた「当たり前」という所作で携帯電話で話し始めた。 優先席の付近では携帯電話の電源を切るよう掲示…

155. 額縁えらび

きたる11月の個展出品作品用の額縁えらびで頭を抱えている。スペインでは、展示絵画は普通しごくシンプルな細い仮額縁に入れて陳列し、買い求めた人が自分の好む額飾をする。 ところが日本では、額も作品のうちといった具合で額飾済で展示するのが慣例なので…

154. 酔っ払い社会

酩酊の夏の休暇が終わったと思えばストライキの連続。29日にはゼネストに突入するらしい。口を開けば「デモクラシー」と30年余り叫び続けてきたスペインの現実を眺めていると自由を裏打ちする「責任」が欠け落ちているように思えてならない。連日のよう…

153. ホームページより回覧板

IT の流れでスペインでも WWW が多くなり、各自治体でも張り合ってホームページを開いているが実に有名無実。 先日も、とある遺跡へでかけたくてその町の役所のホームページにアクセスしたらフラッシュづくり、動画も満載の凝りに凝った画面が現れ、これはす…

152. 暑中お見舞い申し上げます

日本は男性型梅雨の最中にあるようですが、マドリーも零時で33℃と寝苦しい連日です。八十路ともなると生活が間延びしてしまい一点重点的になり、各方面へ脳がスムーズに移ってくれません。 平均寿命が延びただけ人間は進歩した…と思っていたら、ただ間延び…

151. 尻なし男

最近なにかちぐはぐを覚えるーーーと思っていたが、それはGパン姿の若者の尻がぺちゃんこでぶかぶかしているからだ。尻に肉がついていないのだ。スペインに住み始めた頃の若者は漫画ポパイの悪役ブルートを連想させ、彼らもそれに憧れているようだった。世の…

150. 砂上の楼閣

この冬はやたらに長雨が続き、例年の9倍も降った。スペインの小麦はこの冬の雨が降れば豊作。だから農民は雨降りを「よい天気だ」という。今年は「よい天気」が続きすぎて大災害を引き起こしてしまった。ただ低い場所に屋並があったため、土砂と雨水が洪水…

149. 懐かしいタバコの一本売り

ギリシャの国家財政SOSはEUの援助で立て直る兆しが見えてきたが、EU域内では、他にも南部諸国でかなり深刻のようだ。 スペインでも即効策として、定年を67才に延長した。これにより社会保障費の掛け金の収入と年金支出の不要で約2倍の得。 学生には、BECA(奨…

148. 犬は飼い主に似る

カナリア諸島やアンダルシア地方はいくども洪水被害を受けている異常気象で、我が家の近辺も連日の雨模様。昨日は朝のお日さんが久しぶりに雲の下をまぶしく輝かせていたが、散歩道では、美しい雲ばかりに気をとられてはおれない。世の中が退廃的になり、ギ…

147. 心の入れ変え

政治も経済も世の中も変わった・・・、と云はれているが、こんなものは国家または社会集団の「こしらえごと」作為的宣伝の様なもので、われら個人としては緩衝装置を経てしか伝わってこない。 こんな流動的な社会環境の時こそ「じか」に自分の生き様や意識改…

146. てかげん

深海魚がことさらに水圧を感じないように、楽しく美しいものだけを追い求め飽食に慣れてしまった人間は、現実の社会を見つめる心が、自然に麻痺してしまう様だ。 そして本来、人間の持っている「かわいさ」の感覚が薄らぎ、自分主義で 感情のコントロールを…

145. Twitter

知りえた貴重な情報や重要な体験を自分の属する社会には意識的に知らせないように隠す・秘密にする・私蔵する。 この日本的性格は、どうも徳川時代に芽生えた陰の国民性とも云える精神作用の様に思える。 逆に欧米人は、自分が経験した闘病生活や、自分がい…

144. 年賀

新春のおよろこびを申し上げます風に押し上げられ、不相応に高くかけ上り、風向きでキリキリ舞いするような凧ではなく、時おり羽を休めながらでも自力で飛ぶ鳥でありたいものです。今年がよい年でありますよう、お祈りいたします。2010年元旦 スペイン・…

143. 渡り鳥異変

偏西風の南下で我が家の近辺にも、ついに冬の冷雨がやってきた。 この夏以来、カスティリャ・ラマンチャを含む中央メセタは旱魃で農作物は大被害をこうむった。 グアディアナ川の流域のルイデラ湿原も強い乾燥のため、泥炭層に干割れが出来て、空気が入り込…

142. 念願成就

絵描きの旅に出掛けると、その村や地方の生い立ちやら風俗習慣から食べ物・特産品まで、何でも見聞きするのが楽しい習慣となっている。晴天に誘われクエンカ地方に出掛け、唯一心残りであったMIMBRE(ネコヤナギの一種)の収穫前の姿に出会えた。今では民芸品…

141. 冬近し

カンタブリア山麓の小さな村の万屋(よろずや)で久し振りにZUECO(木靴)に出合った。スペインでは古い伝統に支えられた降雪地方の民具のような物だ。雪解け時にお隣さんにちょっと出掛ける時などに重宝がられている。 この木靴は、地方によってはSUELA(靴底)と…

140. 緑のスペイン

北東部のカンタブリア山脈は石灰質だ。北側の山麓からビスケー湾までの幅10km長さ200kmにおよぶ海岸地域は、肥沃な石灰質と西岸海洋性の湿潤気候で野菜の栽培が盛んだが、特に赤ピーマンの特産地。 オーブンの受け皿に水を張って、全体が型崩れして…

139. 野生のゆとり

学生時代から傾倒していた構造主義の祖と云うべきレビーストロース氏が永眠されたニュースに接し、生命の循環と偉大なる人間には、エンマ様も少しは手加減して現世に今一度追い戻してほしかった。残念で仕方がない。野生から出発して文化現象も言語構造と同…

138. カール大帝の宿

東北の詰めにカンタフリア海に流れ込むASON川がある。その川口にLIMPIASと云う700年代から栄えた古い港町がある。 この港でロバやラバ・羊毛・トウモロコシ・石膏・木材などの地場産品を清掃(LIMIAS)して船積みした。 海風に耐えた貿易商人の館が点在する寂…

137. 傘寿の楽しみ

この夏は主治医に引き回され専門医の検査漬けで沈んでいたが、結果としては「歳相応のガタ」がきているが何とか持ち堪えられそう、と云うことだった。イヤな錘から開放され、秋の陽射しの温もりの中で傘寿を迎えることが出来た。 第二次世界大戦を経験した私…

136. 野鳥異変

我が家の一番鳥はMIRLO(クロウタドリ)の鳴き声だ。春先から夏にかけての明けどきの暗いうちに、窓辺の立ち木ではじまる愛しく長いさえずりだ。その音色は詩の朗読の趣に似て、私の胸奥に染み込んでくる。たしかに人間に何かを語りかけているようだ。真っ黒で…

135. 検索

辞書や辞典の頁をアトランダムに開いて、記載されている漢字や英語の意味や意味合いを暇つぶしに眺めることが好きだった。 それが、近年パソコンを始めてから、GOOGLE検索で遊ぶことに移った。 それにしても、グーグルの検索能力の進歩と、内容の充実には驚…

134. アイレ プーロ Aire Puro

地球温暖化防止の国際会議で鳩山首相の演説を聴いて(読んで) AIRE PURO(澄んだ空気)を胸いっぱい吸い込んだ様な安心感を味わった。 論旨の格調の高さはもとより、何年ぶりかでスヘインのTVでも、演説中の首相の姿が放映された事だ。 残念ながら、近年の一般…