自笑庵:ともやの時おりおりのメッセージ

HP~スペインの大地とその心を描く~澤口友彌の世界でつづったブログ (2003 - 2011 年)

2005-01-01から1年間の記事一覧

60. 外国での日本語

先だってイギリスに駐在している知人の家族とマドリーの定食屋でスペインの田舎料理を囲みながら、話が食住から言葉へと外国居住者の定番の話題となった。そこで感じたことは率直に言って「日本人は日本語に愛着を持っているのかしら」ということだった。 外…

59. 吐いて吸って生きられる

歳を重ねてくると、人というものは肉体的にはもちろんだが、精神的にも視野が狭まってきて自分でもハッと驚くことがある。車を走らせていても前方ばかり見ているし、車線変更では左右のサイドミラーやバックミラーのうち一つを見逃したままハンドルを切って…

58. 素直に感ずること

先週末の夜、マドリー市内の繁華な通りグラン・ビアに出かけた。週末の夜というのは2年ぶりだった。日本からの旅行者の知人の日程に合わせたわけだが、自分なりの心理状態としては街に出るのが一番いやなときだ。 遊び好きなスペイン人は金・土に集合住宅か…

57. ゴミあつめ

古今東西、人間生活にゴミはつきもの。この不潔感をともなう不要物をいかに美しく処理してゆくかが人間の美意識の根幹だとわしは信じている。その美意識を満たしてくれ、昔からスペイン社会で感動していることがひとつある。それはゴミの回収なんだ。 スペイ…

56. カンカラ社会の夏

チャンバラ小説を読んでいると有相無相の虚実の構えで「すき」をつくらない…と剣の道を説いている。別に剣豪じゃなくとも、今流にいえば人間は眼に見える行動と、その行動を心で支えることで「すき」をつくらない生き様ということになるわけだろう。この夏は…

55. 中国製大旱魃(かんばつ)

中国の日照りの魃(ひでり)神がスペインまで来て暴れまわっているのか、60年ぶりという大旱魃に襲われ、政府は節水を呼びかけ、猛暑・山火事対策に全力投球している。 とは言っても、雨が降らないのだから自ずとその対応は限られており、単に対処でやり過…

54. 底冷えするような夏

暑中お見舞い申し上げます。 水に浮かんで空を見上げている時の解放感は子どもの頃から好きだった。益田川(岐阜県)でヤスで魚を追いまわすのに飽きてくると、仰向きで全身の力を抜いて顔だけを水面から出す。流れがつくり出した空気の泡のはじける音が、水…

53. 自己流

「あなたのサイトはスペインの自然・地理・歴史・民俗などと絵とはあまり関係のなさそうな内容が多く、自分の絵のことについては言及されていないがなぜですか」 という趣旨の問い合わせをいただいた。ごもっともな意見とありがたく読ませてもらった。 己の…

52. 国民投票の重み

なんとなく予想していたように、フランスに次いでオランダでもEU基本法(憲法条約)は国民の意思によって承認されなかった。 思い起こせば、ヨーロッパ鉄鋼共同体のようなものからECに発展し、日米の経済発展に対抗するために、精神的統一、その必要性の…

51. 郵便局ではなく学校を

一度夕立が来ただけの5月。乾き切って巻き上げられた砂が雨のように降ってくる台地。押し葉のように色あせたり茶色に変色した野草が、折れたり、お互いにもたれ合ったりしながら造花のように咲き残っている。 スペイン社会もまた政権が交代して1年過ぎ、法…

50. 悪は悪

久しぶりというか、2ヵ月間も乾き切っていた大地にこの春最初の雨が打ちつけてきた。日向くさい、なにか火薬のような刺激臭が鼻をさす。木陰に逃げ込んだ相棒はテニスラケットを脇の下でぬぐいながら言った。 「イラクでイギリスの私設軍に参加していた日本…

49. 隣人は大切に

USAの政経での一極覇権は確実に蔭りが見えてきた。 こんな米国の現状でも必ず最後には助けてくれると信じ込み、「我々とともにアジアの安定を構築しようじゃないか…」という前々からの中国の働きかけにそっぽを向き、その上、中国の嫌うお宮参りをやる。…

48. 交通局

毎年帰国のたびに自動車の国際運転免許証を発行してもらいに交通局にでかける。 気軽に思いついて立ち寄るなんてとんでもない話で、前もって行動日程表に組み込んでおく必要がある。なにしろ一日がかりの仕事になってしまうから今日もその覚悟で早起きした。…

47. どこも役所は同じかな

NHKラジオの海外放送はこのところ朝日新聞との間でおらが村に難癖をつけた…と狸と狢(むじな)の中傷劇で無駄な紙面と時間を浪費している。まったく読聴者は蚊帳の外でおかまいなしだ。 組織内や職場の内では組織人として全員が守らなければならない共通…

46. 05のスペイン

ASIAN TSUNAMIと呼ばれる大自然災害は実に痛ましい限り。思いもよらずこの世を去られた方々をおもんぱかってベルギー・ドイツ・フランスなどはそれぞれに年末年始の華やかな行事は自粛し、義援金の呼びかけをやっておったなあ。スペインの場合、今回の津波災…