自笑庵:ともやの時おりおりのメッセージ

HP~スペインの大地とその心を描く~澤口友彌の世界でつづったブログ (2003 - 2011 年)

159. 素晴らしい対処

高速道路の制限時速が 110km/h 以下になった。リビア内戦などで原油価格の急騰に対する対応処置だ。
根拠として、例えばマドリーからスペイン北西部の都市ア・コルーニャまでの約 730km を 110km/h で走行すると、従来の制限時速 120km/h より5〜6ユーロ分のガソリンの節約になる……という論理のようだ。

スペインでは、片側二車線以上で中央分離帯がある高速道路は、特別の場所以外はすべて無料で、ほとんどの主要都市はこの高速道で結ばれている。
今回の速度規制が決定されてから一週間ほどですべての高速道の速度標示板を「110」に張り替えてしまい、昨日から実施に踏み切った。この迅速な対応は実にすばらしい。まさに生きた政治というべき絶賛ものだ。

スペイン人の常で自分に不都合なことは反対。タクシーを含め輸送関係者、野党も文句タラタラだ。が、考えてみれば、10分や15分到着が遅れても何の価値もないような長話をちょっと早く切り上げたら、十分に遅れは補填されるとわしは思っている。

最近はアジアといえば中国一辺倒でしょげていたところ、一昨日のテレビで内務大臣が「日本のような先進国でも最高速度は 100-80km/h だ……」と言っていた。久しぶりに耳にした「ニッポン」だったが、「万事手遅れ」の日本政治が頭をよぎると、嬉しいより恥ずかしさが先に立ってしまった。