自笑庵:ともやの時おりおりのメッセージ

HP~スペインの大地とその心を描く~澤口友彌の世界でつづったブログ (2003 - 2011 年)&その他

18. ぜんぶ忘れてしまう

長い夏のバカンスが終わり、それぞれの出身地の村祭りもほぼ片付いた9月の後半頃から「ポストバカンス症候群」という言葉がマスコミを通じて耳につくようになった。

勤めに出ても焦点の合わない目でぼんやりと椅子に座っているだけ。そのうち、いらいらし出して頭痛や腹痛をもよおす。また流れ作業の単純労働では自分の分担を見過ごしたり作業速度が落ちてベルトコンベアがふん詰まりを起こしたりするそうだ。

スペインに仕事できていた日本人たちが帰国してモタモタした時に弁解がましく「どうもスペインぼけしましてね…」なんて言っていたこともあったそうだが、わしはそれを「洞穴症候群」と仮称していた。社会常識がうまく見れない一群の人々がかなりおることは理解しているが、仮に一時的にせよバカンス呆けまでそれにプラスされてきたとはちょっと行き過ぎじゃあないかなー。

もっとも小学校など5月になると学年末のまとめと称する行事で半分お遊び授業となり、そんな雰囲気の中で最後の試験を受け、試験後は2週間ほど午前中のみの登校をだらだらと続け、6月15日前後に夏休みに入る。丸3ヵ月後新学期が始まるわけだが、10月までは本格的な授業が始まらないらしいから、子供にとっては?ヶ月も続く楽しい楽しい休暇気分。当然ながら本人や親たちが口をそろえて言うことは「全部忘れてしまった」よ…!