自笑庵:ともやの時おりおりのメッセージ

HP~スペインの大地とその心を描く~澤口友彌の世界でつづったブログ (2003 - 2011 年)

2003-01-01から1年間の記事一覧

24. 日本は東の端じゃあないよ

先日、日本から遊びに来た知人がゴボウを持ってきてくれた。彼の地についた知識と判断に喜びは倍増したねー。 ゴボウは日本だけの食品のよう。ポルトガル、スペインで野生ゴボウをみたことはあるが栽培はしておらん。ゴボウは完全不消化食品だそうやが、あの…

23. 内と外の境

アフリカ大陸や東欧からの不法入国者が後を絶たず、そのまま国内に住みついてしまう、いわゆる不法居住者が急増している。 スペインは宗教的に「額に汗して働く」ことは一種の罰とみており、とくに3Kの仕事を嫌うようになったために農園・建築現場などで労…

22. 酵母菌で発酵してしまった日本人

ユダヤ教の世界では西暦を共通暦Comon Era(=コモンイアラ)という。今年はCE2003年、ユダヤ暦では8月まで5763年、9月以降は5767年に当たる。 そのユダヤ暦の2460年(イスラエルの本による)頃、ちょうどヘブライ人がイスラエル人と呼ばれ始める頃、かれ…

21. コマーシャルぼけ

1日に1回テレビを観ることにしているが、一昨日はスペイン皇太子の婚約発表があって、今日もまだ何かと映像が続いている。好青年の太子には大きく成長してもらいたい。 それにしても明後日の天気予報を観ようと思ってTVのスウィッチを入れたら、通常より早…

20. 働くとは

今年の春、青年海外協力隊での出先の国でスペイン人の建築家と知り合い結婚した日本の女の子が先日メールをくれた。ちょっと内緒で一部ご紹介。 塩辛の作り方を伝授したあとの話。 ちょっと塩加減が強すぎたようで、第二段を作ったところです。とは言え、塩…

19. 生まれた日に

今日でスペインに来て27歳になった。日本での職業は21年間続けたが、絵描きを仕事にしてからの年月の方がだいぶ上回った。 厳しいプロ意識が定着しているスペインでは絵を描くことで生きていなければ絵描きとして世間は認めてくれない。過酷で、独習の積…

18. ぜんぶ忘れてしまう

長い夏のバカンスが終わり、それぞれの出身地の村祭りもほぼ片付いた9月の後半頃から「ポストバカンス症候群」という言葉がマスコミを通じて耳につくようになった。 勤めに出ても焦点の合わない目でぼんやりと椅子に座っているだけ。そのうち、いらいらし出…

17. 屑(くず)ぶどうの味

スペイン通信No.14でブドウの話を書いたが紙面がオーバーしそうなのでこちらで続けます。 今年のスペインは記録的猛暑と乾燥した夏だったもんでブドウは甘いのだが果汁が少なく、その上、実割れも多かったようで、ラ・マンチャ地方などの大きなブドウ酒工場…

16. 食いしんぼう

人間、歳を重ねると、どうも食い物には意地汚くなるもんかねー。 50代では毎日スペイン飯でも別に抵抗がなかったんやがな。60代になった頃から、1週間ほどの予定で取材の旅に出かけると最後の頃には米のご飯が食べたくなってきて、精神的にも腹のすわり…

15. あきないタマシイ

最近のスペインは郊外型大店舗乱立時代を迎えており、地元の個人経営店との間でよくごたごたを起こしている。どうもこの大型スーパーが震源地のようにわしは思っておるのだが、それはまやかし特価販売のこと。 商品値段を表示するのに3×2とあったらどんな…

14. うれしい便り

9月になるのを待ちかねて近くのタパス料理屋へ行った。 ワインの肴に塩茹でした海老と好物のムール貝のマリネをあつらえてもらった。手空きの給仕さんと「食べる海老のはらわたは取り除かんのに、食べないムール貝の殻はきれいに掃除するのやなー」なんて世…

13. どこにもずるいやつはおる

7月の後半から8月いっぱいはスペイン人のバカンスで田舎は街や外国から里帰りした人たちでけっこう賑わう。ざわついた村の雰囲気はどうもしっくりしないので本格的な絵描きの旅には向かない。それに今年のヨーロッパはメチャ暑で、猛暑には慣れたつもりだ…

12. 心のゆたかさ

車の中には水2リットルは常備している。 海岸か河川の辺り以外は半砂漠化しているスペインでは、そう容易に飲み水にありつけるものではないからねぇ。たとえ飲めそうな湧き水でも山手で山羊や羊、馬が放牧されていると危険。だからわしは取材で走り回る田舎…

11. つっぱりもほどほどに

パソコンというものはおもしろいことはおもしろいが、0と1だけの世界でまったく融通が利かなくて、わしのような人間にはなかなか扱いにくいものやねー。ひょっとすると意識しなくて知らん間に人間の考える力、洞察力なんかを奪い取っていくんじゃないかな…

10. 長崎原爆記念日に

イラク戦争以来「文明の衝突」という言葉を頻繁に耳にするようになったねー。 思い起こせば、最高に蒸し暑かった敗戦時、わしは旧制中学の3年生やったと思うが、学徒本土防衛要員の1人として三八式歩兵銃と実弾を抱えて名古屋に来ておった。岐阜県立斐太中学…

9. 何でも適応?

Tennis Racket (c) Tomoya Sawaguchi 2003 今日はさすがにテニスの途中に頭から水をかぶったよなー。因みに気温は48度。20年ほど前は、夏にスポーツをやっても汗がベトベトする前に蒸発してしまって、よく毛穴のところに塩が白くこびりついたもの。とこ…

8. 見たくれよいバラック

今日のニュースで宮城県北部で大きな地震があって、たくさん負傷された方が出たようですが大変お気の毒なことでした。どうかみなさん、頑張って立ちあがってください。 それにしても、ここスペインに震度6なんちゅう地震がきよったら全く瓦礫の山になるだろ…

7. コミュニケーション

以前、村に取材に入るときは、できるだけこまめに「こんにちわ!」と声をかけることを心がけてきた。 変な東洋人が、めったに村人以外は通らないような裏道へキョロキョロしながら顎を突き出して入ってきたら、十分に警戒する価値はあったと思う。 そんなと…

6. お祭り好き

毎年夏になると北のパンプローナを皮切りに多くの街や村でこれでもか!と言わんばかりに牛追い祭りが次々と開かれる。 牛追いと言ったが、むしろ「牛追われ祭り」と言ったほうが当たりかもしれない。なにしろ街や村の中でいつも決まっている道路、距離にして…

5. 酒飲み修行

日本に帰国した折に2日ほどは古本屋をあさり、安くなったやつを手当たり次第に買い込んで船便でスペインへ送り出すことが年中行事化している。 これもその1冊、10年ほど前に出た『酒と健康』(岩波新書379)なる本を今読んでいる。著者の判定によると…

4. 酒は楽しむもの

Driving & painting (c) Tomoya Sawaguchi 2003 取材に出ると一番の楽しみは地元のワインを飲めること。酒の肴はほとんどはその地方産の肉ということになるが、スペインの牛肉はだいたいが1才未満が多いけれども、僕は4、5歳の牛で脂がよく回っている、い…

3. ゆとり

日本人という種族はどうも遊びが下手やよなー。精神的にゆとりがないのか、無目的で長い時間を過ごすことができない民族のようやね。その典型のような小心者が私のような男で、テニスをやっても闘争心が少ないので試合は嫌い。勝負をすることが嫌い。賭け事…

2. 流行

流行というものはおもしろいもんで、最近のようにグローバルな社会になってくると半年くらいで世界中をかけめぐってしまうようです。 男女を問わず、耳、鼻の穴、唇、へそ、舌の先などになにか模様や石のついた針金を差し込んで歩くのはすっかり定着してしま…

1. うまい酒

ようやくEメールの送受信ができるようになったお爺が津高40会HPに『スペイン通信』なる欄を開設してもらい、オッチョコチョイが気軽に引き受けしまってから「わしにやれるんかな…?」と全くスペイン人的に後から悩んでなあ。ところが気安く「ぼくに任せ…