自笑庵:ともやの時おりおりのメッセージ

HP~スペインの大地とその心を描く~澤口友彌の世界でつづったブログ (2003 - 2011 年)&その他

9. 何でも適応?

 

Tennis Racket(c) Tomoya Sawaguchi 2003

Tennis Racket (c) Tomoya Sawaguchi 2003


今日はさすがにテニスの途中に頭から水をかぶったよなー。因みに気温は48度。20年ほど前は、夏にスポーツをやっても汗がベトベトする前に蒸発してしまって、よく毛穴のところに塩が白くこびりついたもの。ところが相棒のスペイン人はベチョベチョに汗をかいておる。それを不思議に思っておったんだが、そんなことを聞くのも失礼だと黙って見過ごしておったな。

そういえば、当時は帰国すれば「スペインでは汗なんて出ませんよー」とよく皆さんに言っていたことを思い出す。それは今考えれば、まだスペインに来たばかりで外国に住んでいることをちょっぴり誇らしげに思ってたからやね。周りの状態を十分に見つめる目もまだないのに、自分だけの体験から「スペインは乾燥しておるんでね…」と勝手に決めつけておったようで、いや、お恥ずかしい話。

人間の体質と言うものは2、3年ではなかなか変わらんようやが、10年も住み慣れるとどうも一人前にスペイン人と同じような体質になってしまうようやねー。

とある春に日本に帰ったとき、JRの中でわしが半袖姿で汗をかいておると、車掌さんが検札に来て「お体の調子が悪いのですか」と親切に声をかけてくれた。まあ、「汗かきでねー」とその時は軽く答えておいたんやが、実は、車掌さんは何月何日からは合服というようなお仕着せ的な日本の習慣にどっぷり使っておるので、わしの半袖が目に異様に映ったんやろうと思う。こういうことも体質と共に日本独特の感覚だということが身についてわかってきたような気がする。スペインだったら冬に半袖で歩いていてもあの人は暑がりなんだなーと人は思うだけでそれ以上何もない、さらっとした感じで生きらるからねー。

機械では隙間のことを遊びと言うけれども、その遊びのおかげで円滑に作動しているわけで、人間でもやっぱりこんな遊びがあっていいんじゃないかな。なかなか日本という社会は思うように遊び心も生かせない国なんかなー。