155. 額縁えらび
きたる11月の個展出品作品用の額縁えらびで頭を抱えている。
スペインでは、展示絵画は普通しごくシンプルな細い仮額縁に入れて陳列し、買い求めた人が自分の好む額飾をする。
ところが日本では、額も作品のうちといった具合で額飾済で展示するのが慣例なので、西洋感覚の絵描きとして額縁選びは大変な苦労をともなう。
わしは、スペインの大地の色、壁石、青空の色など、頑固爺がもっともスペインらしいと思う顔料を組み合わせ、胡桃油で練り上げた特製絵の具を使っている。日本感覚で仕上げられた日本製の既製品の額縁とのバランスは、だから、よけい難しい。やっと、これは好い・・・と妥協できる額縁にであっても、需要が少ないのか、すぐに廃番になってしまうのが現状だ。
額縁デザインとそのあり方ーーー早くスペイン(ヨーロッパ)流に改善してほしいものだと常々思ってきた。そうすれば画廊や額装工房はここの顧客と対話し、相互に励みとなりそうなんだがなー。