自笑庵:ともやの時おりおりのメッセージ

HP~スペインの大地とその心を描く~澤口友彌の世界でつづったブログ (2003 - 2011 年)&その他

2. 流行

流行というものはおもしろいもんで、最近のようにグローバルな社会になってくると半年くらいで世界中をかけめぐってしまうようです。

男女を問わず、耳、鼻の穴、唇、へそ、舌の先などになにか模様や石のついた針金を差し込んで歩くのはすっかり定着してしまい、流行とはいえず、むしろ文明と呼べるかもしれないのう。よく文明は高いところから低いほうへ流れると言われておりますが、鼻に棒を通したり、耳に輪っぱをぶらさげたり、木の葉っぱでフレアースカートのようなものを作ってはいたり、唇に缶詰の缶からをはめこんだりするのが流行の元祖とすれば、赤道直下の人々の方が文明が高いと言えるかもしれんねえ。

流行にはどうも努力が付随しないようで、今のスペインでは何といっても日本食ブーム。まあ、スペインという国は他国と比較して一列車も二列車も遅れて動いておる社会やが、やっとで寿司が売られるようになってきました。バンドエードは形はそっくりだけどひっつかない、ひっついたらはがれない、通気性はなし。セロテープといえばかっこうはそっくりだがまったくひっつかない。…とおなじように、マグロの寿司といえば、マグロの赤身をすり身にして、それを薄い板に伸ばし、適当な大きさに切って、握ったご飯の上に貼り付けてあります。その上、冷凍食品売り場で売っており、見てびっくり。賞味期限40日間とある、これじゃあ寿司も泣くわねえ。

聞くところによると欧米人は我々よりも味覚細胞が不足しておるらしいよ。したがって彼らがうまいなー!と言ったときに私はいつもなんともいえない不安に襲われます。「こいつら、本当の旨さがわかっておるのかなぁ?」という不安で、ちょうどホームページを作成するときのように、自分が作っておるように誰でも見えるのかなーと思うと不安でしかたがない。

まあ、最近流行のへそ出し・尻半分出しルックは害はないし酒の肴にもなるが、流行語の人道援助・人道主義というやつは一杯ひっかけないと考えようがないねー。人間のエゴ丸出しよ。いや、今日も赤で一杯だぁ。