自笑庵:ともやの時おりおりのメッセージ

HP~スペインの大地とその心を描く~澤口友彌の世界でつづったブログ (2003 - 2011 年)

138. カール大帝の宿

東北の詰めにカンタフリア海に流れ込むASON川がある。その川口にLIMPIASと云う700年代から栄えた古い港町がある。
この港でロバやラバ・羊毛・トウモロコシ・石膏・木材などの地場産品を清掃(LIMIAS)して船積みした。
海風に耐えた貿易商人の館が点在する寂れた町だが、文化レベルは高く、19世紀末には水力発電所を、1924年には小中高まで学べる女子校が設立され、今も立派に存続している。
その奥まった町外れに20世紀初頭の財務大臣が買い取った商人館があり、数年前にパラドール(国営ホテル)として生まれ変わった。この館は神聖ローマ帝国カール大帝が、通風を癒すために暖かいスペインに戻り、リンピアス港に上陸して、この館で宿泊した記念すべき館だ。

こんな館の庭園の山の散歩道で、裏木曾生まれの田舎者は、ついに栗拾いをしてしまった。


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