自笑庵:ともやの時おりおりのメッセージ

HP~スペインの大地とその心を描く~澤口友彌の世界でつづったブログ (2003 - 2011 年)

46. 05のスペイン

ASIAN TSUNAMIと呼ばれる大自然災害は実に痛ましい限り。思いもよらずこの世を去られた方々をおもんぱかってベルギー・ドイツ・フランスなどはそれぞれに年末年始の華やかな行事は自粛し、義援金の呼びかけをやっておったなあ。スペインの場合、今回の津波災害では今のところ世界第5位の援助金を出すらしい。

ここでは確定申告のときに本人の納税額の0、52%をカトリック教会へ納めるか海外義援金として拠出するかの方法をとっている。カトリック教会への寄付金は約143億8500万円で、不足分約15億円は国が補充してカトリック教会費をまかなってきたのが現状だ。

ところが「カトリック教会のみへ納税者が選択した0、52%の金を流用することは公共性を欠く。憲法で信仰の自由が認められている以上、イスラムユダヤプロテスタントなど公認された宗教にも本人の意思によって配分すべきである……」と現社会労働党政権は改革を提案しており、安楽死の承認とともに今年の大改革の論点となりそうだ。

また現政権は昨年には同性結婚を認めており、これも結婚は子供を増すためのものと解釈するカトリックとは真正面から対立する。それでカトリック教会側は、今年は性の不健全さも含め、本格的に巻き返し運動を展開するそうだ。

人間、半数は女。残りは男なんだから、社会生活のなかで相棒を選んだら半数は異性になるはず。そんな時、ひとりひとり異性だ、性だなんて考えるのはわずらわしいことだ。あっさり同じ人間という普遍の真理を第一に認める生きざまからすれば、同性婚だって特別不思議がる必要もないと思えてくる。

郵政民営化などと政治的駆け引きじゃなくて、哲学的論争が展開されそうなスペインの2005年はちょっと楽しめそうだ。

それにしても今日1月6日は東方三博士の贈り物の日。子供たちは両親や祖父母などからそれぞれ別々にたくさんの遊び道具をもらい大喜びの日なんだが、問題はペットのプレゼントだ。

スペインは捨て犬が年間20万頭に上りヨーロッパ1位の数だ(2位はイタリアの15万頭)。聖週間(ホリデー)や夏のバケーションの季節になると始末できなくなって自分の都合だけであっさりと捨ててしまうらしい。この東方三博士の日で贈られた犬の30%は捨て犬になるとか。

小学生が同級生を、親が子を、子が親を気軽に殺してしまう時代。捨て犬なんて当たり前かもしれないが、このへんの教育改革というか、心の改革に全世界が取り組まなきゃもう限界に来ている年でもありそうだ。