自笑庵:ともやの時おりおりのメッセージ

HP~スペインの大地とその心を描く~澤口友彌の世界でつづったブログ (2003 - 2011 年)

35. 緑の枯れ葉

Melón con Jamón 2004

夏の味その1「メロンの生ハム添え」Melón con jamón (c) Tomoya Sawaguchi 2004

連日の日照りでこの一週間は毎日確実に少しずつ気温が上昇してきたようだ。

今日のお昼時、首都マドリーは39,3℃。近くの古都トレドは40℃強。日本でいえば盛岡ほどの緯度で標高はこちらの方が600mほどだから日本と比較したら大変暑いことになるわけ。おまけに今週はアフリカのサハラ砂漠から南風が吹き込んでいる。こうなると気温は通常より2~3度上昇し乾燥度はより増して、我が家の周りの公園のポプラは葉っぱが緑色のまま水分を吸いとられてしまって、秋の落ち葉のように地面をおおいポテトチップのような乾いた音を立てながら南風に舞うことになる。

この乾ききった季節がわしにとって一番スペインを感じさせる大好きなときなんだが、この夏は心配事がある。

春に和歌山の友人がわざわざ魚釣り用のクーラーでゆり根、山芋、ごぼう等々スペインでは栽培されていない貴重な食料品とともに山椒の若木を一株もってきてくれた。教えられたように我が家で「風通しよく一番涼しい場所」を選んでもしょせんマンションのテラス。日陰になる側が近頃では朝の10時ごろには35℃を突破し、午後9時頃の日没まで続く。統計的にはこの近辺の夏(6~9月)は雨は14mm。これじゃあ湿度満点の日本育ちの山椒くんには生死をかけた極限の戦いとなってくる。

昼間はもちろんだが、夜中でも這い出して霧吹きで植木鉢もろとも噴霧している。枝とはよべないまだ緑色のジクから黄緑の葉っぱが6対ほど出ているんだが、下のほうの枝(ジク)から徐々にドライフラワーのようにカサカサしてくる。今までの経験では、日本育ちの苗はなんとかひと夏を通り越してくれれば来年はもう環境に適応してくれるんで、山椒くんもなんとか耐えてほしいと願っている。いっそ思いきって剪定して新芽に期待するか?
今夏の悩みの種。

スペインの内陸部は夏になったら半砂漠状態で、夏の草原といえば枯野と思ってもらえばよい。おまけにトゲの多い雑草がやたらと多いので、原っぱはもちろんのこと、いなか道でもサンダルでは危なくて歩けない。

これは見え見えの屁理屈なんだが、山椒くんもトゲを持っているんだから頑張って生きてくれよな。

campo descado estival 2004

Vista desde Calatrava la Vieja 2004