自笑庵:ともやの時おりおりのメッセージ

HP~スペインの大地とその心を描く~澤口友彌の世界でつづったブログ (2003 - 2011 年)

133. インフル余波

教わったことも忘れてしまいそうな3ヶ月間の夏休も終わって、新学年が9月15日頃から始まった。 「手を洗う」ことが最初の行事だった。 スペインではGRIPE A(流感A)と命名されたインフルエンザーの対応策なのだ。 乾燥度の高い地方では、手軽に手の洗える川・…

132. 馬の血統

全力疾走から急停止するギャロップ、障害物を飛び越える特技には定評があるANGLO-ARABE種の妙技に最大限の拍手を送って王立馬術学校の演技を見てきた。馬種は命名通り、英国の純サラブレッド種と純アラブ種との交配種だ。 スペイン変遷史の内で約800年間はア…

131. 漢字にも流行りあり

「神風」から始まったTシャツに模様(デザイン)として漢字を書く(描く)ことは、少数派ながらスペインでは根強い人気がある。武道の流行で「柔」「力」「勇」の一文字もの、「空手形」は連続して読むと爆笑ものだが一世を風靡した。直江兼続ばりの「愛」「恋」…

130. やっとコオロギも鳴けた

長い夏の休暇も、後半は、例年になく35度以上の猛暑の連続で、レンガ建ての高層長屋は熱気が溜まってしまう。夜中2時までは30度を下らない。湿度は常に30%前後だから、汗でベタベタすることがないのが唯一の救いだが、末期高齢者にとっては、気楽な夏ではな…

129. 個人主義にもヘド

マイクとレンズの区別がつかない様に、リポーターの上半身をドアップで、しゃべっている間じゅう長々と映している。 サーバー不調で、TVを観る機会が多くて、ニュース番組をかなり長く観た。ここまで自己宣伝しないとまともにその地位を確保できない自己主義…

128. 混沌社会

絵描きに数学の方程式を解かせたり、内科医に土管工事をさせたら「お門違い」なんだが、それがコントンとして「味噌も糞」も一緒になっている日本社会。こんな甘さが、麻薬所持犯罪をおかしたタレントの芝居を見抜けなくて、最高裁が宣伝に使ってしまった。…

127. 王座

灼熱の農園で干草の積み上げ作業を終えて戻った年老いた農夫は焼きついた顔に微笑みを湛えながら話してくれた。 お爺さんの頃、教会前にあった古木で造ったこの椅子で、仕事を終えた一時、自家製のSIDRA(リンゴ酒)を飲みながら涼しい風になぶられたら、王様…

126. 季鳥かな

地球の温暖化か? それとも食べることに真剣みをなくしたのか、寒い冬が来ても暖かな南へ移住する苦労を省略し、居付いてしまう怠けコウノトリが年々増える様に思う。 それにしても、真夏の何処までも高い紺碧の空に舞うコウノトリの優雅な姿は、やはり夏を代…

125. 伝統と個人情報

スペインで今50才ぐらいの人達は義務として一定期間の兵役か、女子は社会奉仕の義務を果たした。その上教会で洗礼を受けていないとパスポートは交付されなかった。そんな教会権力と、現政権は真っ向から対立している様だ。例えば、 同性結婚を認め、公立病院…

124. 自動か手動か

マドリーの中心ソル広場(太陽の広場)に国鉄(renfe)の近距離専用電車が3年越しに乗り入れ、盛大な開通式があった。ほとぼりの冷める時を待って、野次馬根性で出掛けて見た、感想を羅列します。 自動改札口では定期券を懸命に押し付けても、自動読み取りは作動…

123. 白い地金

スペインが誇る国営ホテルのベランダに干された洗濯物・・・。何と無様な眺めだ。話している言葉や内容でアングロサクソンの様だった。二人乗り自転車同好会の連中だった。バイキングの朝食には、いの一番に見晴らしのよいテーブルを占領し、食事が終わって…

122. ピコス・デ・ヨーロッパ

カンタブリア山脈をスペインではPICOS DE EUROPAと呼ぶ。ヨーロッパ大陸では古い古第三紀層の山だ。砂岩と泥岩の互層から出来ている6500〜2500万年前の地層で、ツルハシの様に尖っているのでピコと命名された。 ESPIGUETE山 2450mの晴れ姿だ。 標高1000m程…

121. ローマモザイク その3

発掘途中。土を取り除いた部分にモザイク模様の床面が見える。 壁の残骸は部屋の仕切り。

120. ロマモザイクその 2

邸宅の敷地4400㎡中1400㎡を占める「浴室」の一部。 排水溝に素焼き板を被せる。その上にグル石を並べ、漆喰で練った土で固める。その上にモザイク模様をほどこす。

119. ローマのモザイク

今年の春に初めて公開された1〜2世紀頃のローマモザイクを見学に出掛けた。ローマ時代の将軍(土着した豪族)の邸宅址4400㎡の床面にほぼ完璧に残るモザイク模様だ。 この二枚の写真は、住居部分3300㎡の中心に当たる「謁見の間」に在るモザイク。制作年代は、…

118. 飢餓の思い出

ツバメに出会った帰り、グアダラーマ山脈を越えた。北斜面のヘヤピンを標高1600mほどへ登ってくると、松林の下草は一面のワラビ(成長したシダ)だった。乾燥したスペインでは珍しい眺めだった。春先にはワラビがニョキニョキと伸び出てくる様を想像すると、…

117. ツバメは人間が好き

季節移民の農業労働者をGOLONDRINA(ツバメ)と呼んでいた様に、ヨーロッパのツバメは寒気を逃れ、中央・南アフリカに移動する。太陽の光が長くなり微妙な気圧配置を感じ、生殖腺が刺激され故郷に戻ってくるらしい。我が家の近辺に戻って来る種類は、体全体が…

116. 食い気の意地汚なさ

末期高齢者ともなると、何事にも「待った」が聞かなくなる。 むしょうに「ミダラシ団子」が食べたくなり、蓄えてある和食素材から、団子の粉を探し出し茹で上げる。 中学(旧制県立中学)は飛騨高山だったので、団子はあくまでも(○)、タレは「生タマリ)。こん…

115. 大地の恵み

十年ぶりに懐かしい泉に出会い、感無量!!!。 壁と蛇口は綺麗になっていたが、蛇口から直接水を飲むとき、上下二本の棒で、片手片足を支える。この木の棒は昔のままで、思わず撫ぜ回してしまった。 2000年当時、一枚のタブローを仕上げに通ったのも、ちょうど…

114. 潰れる選手

続行中の全仏オープンほどイライラさせられているカウント表示はない。IBMの表示が一呼吸遅れるからだ・・・。 TV観戦している者には、判定しにくいアウト・セーフが瞬時に表示されてこそ、ゲ−ムにのめり込めるのだ。 おまけに、№1のナダールが敗退し去り、…

113. 投票率

今週中に欧州議会の議員選挙がEU連合の加盟国内で実施される。 私は、その投票率に興味を持って待っている。 と云うのは、投票は「ヨーロッパの視点」で判断しなければならない、と云うことだ。例えば、極右・中道右派・中道左派・左派 という様にEU域内に存…

112. ジャムパン

昭和一桁も前半生まれには、アンパンと共にジャムパンは忘れられない懐かしい味なんだ。今季最後の露地イチゴを買い込んで自家製ジャムの瓶詰めを娘に作ってもらった。 露地栽培物は中まで真っ赤、香も好くレモンを絞り込むと一段と好みに合う味をかもし出し…

111. 本音はどこ

最近ネット新聞を見ていると、「黒人」の文字が目に付く様になった。カルピスの黒人マークやダッコちゃんは差別・・・、と率先して反対した新聞が、何時から黒人を差別用語から除外したのだろう。差別意識はヨーロッパ人もかなり強いと思って見ているが、本…

110. 寿命

先日、弟から、愛犬が遂に十六年で天寿をまっとうした、と連絡があった。愛され長生き出来て本望だったと思う。 そこで、つい人間だったら何歳だったろうか・・・、と単純に時計の時間で推測しようとしたが、チョット待てよ!!!。 とある古い本で読んだ記憶で…

109. 顔は鏡

取材先での立ち話。私より丁度八歳年長のお婆さん、耳も目も達者、話の反応も素晴らしい・・・。 三十歳を超えたら「自分の顔に責任を持て」、と云われるが、顔は心の鏡。何も説明は要らない。楽しい一時だった。

108. ゼニ感覚

ヨーロッパの大部分が使用する共通通貨ユーロが導入されて略10年になる。最近は経済危機で商品の値下げ競争が目に付きだした。そんな中、庶民の「お金」感覚と言うより、もっと現実味のある「銭」感覚を捕らえ、商品の値段を公式のユーロ表示に括弧付きで旧…

107. 旬のはしり

例年より4日ばかり早く、真っ赤なサクランボが一般の市場に並んだ。マドリー近辺では、ヘルテ川を挟んだ斜面全体がサクランボ畑。まだ花弁を残したままの若さだ!!!。でも甘くて・・・止まらない。

106. ジェットコースター

雲母を含む岩山を突き抜ける新しい道路が出来上がった様で思い切って乗り入れてみた。数年前に入り込んで車の腹を擦って悪戦苦闘で引き返した道だ!!!。 ミッシェリンの道路地図にも記載されていなかったZARZUELA DE JADRAQUE村の北の急カーブ(グーグルマップ…

105. スペインの色

エル・シドが支配したこともある、カスチィーリャの交通の要。 JADRAQUE城より見下ろす気分は爽快。赤みを帯びた大地は鉄分を含む石灰質の土壌が酸化した色。緑は麦、木はドングリ。ハドラッケ城はメセタが侵食を免れ小山の様に残った場所にある。地図で位置…

104. 航空運賃の矛盾

飛行機はクラスにより持ち込み荷物の重量制限がある。それだったら、搭乗者の体重+荷物重量で航空運賃を算出したらもっとスッキリする・・・、と常々思っている。体積が多すぎて座席に入り切らぬのは個人的な別問題だが、飛行機はすでに、ごく一般化した交…